どーも、GP神戸が終わり、いろいろあって隠居中のねこまくらです。にゃーん。
今回はGrixis Death’s Shadowについて少しお話をば。
「えっ、たいしたこと書いてないよね?」という人、間違ってないと思います。
「それちょっと違くない?」っていう方もいらっしゃるかもしれませんが、あたたかい目で読んでいただければと思っています。
【デッキ紹介】
SCG Modern Open Baltimore 1st Place
Grixis Death’s Shadow by Bradley Nelson
〔メインボード〕
4 死の影
4 瞬唱の魔道士
4 通りの悪霊
2 黄金牙、タシグル
2 グルマグのアンコウ
4 思考掃き
4 致命的な一押し
2 終止
2 頑固な否認
2 コラガンの命令
1 稲妻
4 思考囲い
4 血清の幻視
2 コジレックの審問
4 汚染された三角州
4 血染めのぬかるみ
4 沸騰する小湖
2 湿った墓
2 血の墓所
1 蒸気孔
1 沼
1 島
〔サイドボード〕
1 最後の望み、リリアナ
1 イゼットの静電術師
3 儀礼的拒否
2 頑固な否認
2 外科的摘出
1 コラガンの命令
1 コジレックの帰還
2 集団的蛮行
2 虚無の呪文爆弾
(MTG Goldfish)
いやー、ここまでしっかり強いデッキなかなかないよ。(脳内)
基本的にはグリクシスカラーが誇る墓地利用と《死の影》を使って早めにクロックを設置してビートダウンを行うデッキです。《血清の幻視》《思考掃き》《コラガンの命令》など、Grixis Controlが対処札を求めて使用していたカードで後続を探しに行きます。サイドボード後は対応力を高めてGrixis Controlのような動きも可能になります。
ハンデスを多く使用しているため、コンボデッキにも太刀打ちしやすく、多くのデッキにメインから強く立ち回ることができます。
他の《死の影》デッキが《死の影》に加えて《タルモゴイフ》などのブロッカーを早期に用意しやすいためバーンに対して微有利をとれますが、Grixis Death’s Shadowは五分くらいになります。
苦手なカードは《流刑への道》《未練ある魂》《安らかなる眠り》などグリクシスカラーが苦手としていたカードはもちろんのこと、手札破壊と火力を潰す《神聖の力線》やデッキの大半を打ち消してしまう《虚空の杯》などです。
【Grixis Death’s Shadowが主流になった理由】
元々は、伊藤敦さんが考案した死に急ぎデッキSuper Crazy Zooがルーツとなっています。キーパーツである《ギタクシア派の調査》が禁止になり、何とか《死の影》を使えないかと試行錯誤した結果、今の形に生まれ変わりました。それがトップメタになるとは…。
当初はジャンド型が最も多く、次いでグリクシス型、その他にエスパー、アブザン、マルドゥなどの型が存在していました。
しかしながら、現在ではJund Death’s Shadowを抜き、Grixis Death’s Shadowが多く使用されるようになっています。なぜ、当初強いとされていた前者を抜いてGrixis Death’s Shadowが主流になったのでしょう。
筆者が思うに、だいたい《タルモゴイフ》のせいかなと思います。
①《ミシュラのガラクタ》および《タール火》の採用
《タルモゴイフ》のサイズアップ兼《ウルヴェンワルド横断》の昂揚達成要員として用いられている《ミシュラのガラクタ》と《タール火》。これらが今のJund Death’s Shadowのリストだと他のカードとシナジーを形成せず、単体で見てもさほど強くないことがひとつの要因だと思います。(個人的には《残忍な剥ぎ取り》を使って昂揚達成する意味を広げてあげたほうがいいのかなと思ったりもします。)
Grixis Death’s Shadowの場合、この枠はおそらく《思考掃き》と《稲妻》が対応するのでしょうが、《思考掃き》は墓地肥やしがメインで、《黄金牙、タシグル》《グルマグのアンコウ》の探査用や《瞬唱の魔道士》《コラガンの命令》の墓地利用の前準備として非常に有用です。《稲妻》は単純に《タール火》よりもダメージの点数が高く、《瞬唱の魔道士》のおかげでほんの少しだけ強く使うことができます。
②サイドボード(色増加の必要性)
Jund Death’s Shadowのサイド後は色を足して《イーオスのレインジャー》《未練ある魂》を入れることが多くあります。(白黒系の《死の影》デッキはこれをメインに無理なく組み込めるのが強みです)しかし、サイド後4色になることがウィークポイントで、白が出る唯一の土地である《神無き祭殿》を破壊されてしまうと、サイドボードのカードが唱えられず負けることも。最近では青を足して《頑固な否認》を加えるサイドボードも見られますが、それだと《タルモゴイフ》がサイズダウンした時に使いにくいという欠点もあります。
その点、Grixis Death’s Shadowはグリクシスカラー3色でも十分強いサイドボードが取れます。筆者は、必要でない限りは、無理に色を足さずに3色に留めるのがよいと考えています。
③《致命的な一押し》に対する耐性
Jund Death’s Shadowは基本クリーチャーのマナ域が1~2マナで収まっているため、《致命的な一押し》で簡単に除去されます。サイド後だと《致命的な一押し》で《死の影》や《タルモゴイフ》を除去された後に《外科的摘出》でぶっこ抜きされると涙が出ます。
Grixis Death’s Shadowが《致命的な一押し》に対する耐性を上げているのが《黄金牙、タシグル》や《グルマグのアンコウ》の存在です。手間がかかる分、黒いデッキ相手にはしっかり残ってくれます。Jund Death’s Shadowも探査クリーチャー、使ってみる?(絶対おすすめしません)
【Grixis Death’s Shadowのリストについて】
①《ティムールの激闘》の採用・非採用
ブラネルさんのレシピには存在していませんが、《ティムールの激闘》は入れておくといいかなと思っています。以前は、クリーチャーがいないといけないし、スタックで除去されたら2枚持っていかれる損するカードだと思って非採用推奨派だったのですが、《スピリット・トークン》やその他の小っちゃいクリーチャーに延々チャンプブロックされるのはつらいのと、高打点でプレッシャーをかけて相手の思考を縛るのは重要だと思いました。
②《稲妻》の採用・非採用について
ねこまは《死の影》デッキの《稲妻》に対しては、クリーチャーで削りきるのが主体のデッキだし、採用する理由がかなり薄いかなと考えています。《瞬唱の魔道士》からのフラッシュバックで6点、というのは高打点で魅力的ではありますが、ブロックしてくるクリーチャーを排除するほうを優先すると《致命的な一押し》の採用枚数が増え、相対的に《稲妻》が少なくなります。《稲妻》を抜く確固たる理由が存在すれば、全抜きも視野に入れていいと思っています。
Grixis Controlでは逆に《致命的な一押し》と《稲妻》の枚数が逆転するのは、《祖先の幻視》によるドローカードの多さや許容できる土地の設置枚数(Controlは4~5、Shadowは3)の違いで、《瞬唱の魔道士》から《終止》のフラッシュバックも見やすいのでクリーチャーを捌きやすいこと、クリーチャーが少ない分、火力と《瞬唱の魔道士》でどれだけライフを詰められるかに重点が置かれるからだと思います。
③サイドボードの設定
Grixis Death’s Shadowのサイドボードは、特に点数で見たマナ・コストが軽めのほうがいいです。ねこまはGP神戸でエルドラージトロンを見るカードとして《軽蔑的な一撃》を採用していますが、これは親和における絶対的アンチカード《石のような静寂》もあり、親和相手はさほど苦手ではないことから、苦手なタイタンシフトや4マナ以降のパワーカードを見ることができるという理由での採用となっています。Grixis Death’s Shadowも親和相手はめちゃくちゃ苦手というわけではありません。しかしながら、あまり土地が伸びないデッキであることとその他どんなデッキに対しても強く立ち回ることができることを考慮すると、Tier 1である親和やエルドラージトロンにさくっと対処できて《瞬唱の魔道士》からフラッシュバックもしやすい《儀礼的拒否》を採用します。Grixis Death’s Shadowの3マナ以降のインスタント・ソーサリー呪文は基本フラッシュバックできないということを頭の片隅に入れ、3マナの呪文を採用する場合はそれなりのパワーカードである必要があるということを考慮しながらサイドボードを組むといいと思います。
【まとめ】
《安らかなる眠り》が痛いのはどちらも同じなので、個人的には《死の影》デッキで緑を使うよりはGrixis Death’s Shadowのほうがおすすめです。安いですし。
緑系の《死の影》もまだまだ十分に強化される余地はあると思っているので、復権に期待してねこまは寝てますね。果報は何とやらです。では、おやすみなさい。
ご意見やご質問等ございましたら、コメントお願いします。
今回はGrixis Death’s Shadowについて少しお話をば。
「えっ、たいしたこと書いてないよね?」という人、間違ってないと思います。
「それちょっと違くない?」っていう方もいらっしゃるかもしれませんが、あたたかい目で読んでいただければと思っています。
【デッキ紹介】
SCG Modern Open Baltimore 1st Place
Grixis Death’s Shadow by Bradley Nelson
〔メインボード〕
4 死の影
4 瞬唱の魔道士
4 通りの悪霊
2 黄金牙、タシグル
2 グルマグのアンコウ
4 思考掃き
4 致命的な一押し
2 終止
2 頑固な否認
2 コラガンの命令
1 稲妻
4 思考囲い
4 血清の幻視
2 コジレックの審問
4 汚染された三角州
4 血染めのぬかるみ
4 沸騰する小湖
2 湿った墓
2 血の墓所
1 蒸気孔
1 沼
1 島
〔サイドボード〕
1 最後の望み、リリアナ
1 イゼットの静電術師
3 儀礼的拒否
2 頑固な否認
2 外科的摘出
1 コラガンの命令
1 コジレックの帰還
2 集団的蛮行
2 虚無の呪文爆弾
(MTG Goldfish)
いやー、ここまでしっかり強いデッキなかなかないよ。(脳内)
基本的にはグリクシスカラーが誇る墓地利用と《死の影》を使って早めにクロックを設置してビートダウンを行うデッキです。《血清の幻視》《思考掃き》《コラガンの命令》など、Grixis Controlが対処札を求めて使用していたカードで後続を探しに行きます。サイドボード後は対応力を高めてGrixis Controlのような動きも可能になります。
ハンデスを多く使用しているため、コンボデッキにも太刀打ちしやすく、多くのデッキにメインから強く立ち回ることができます。
他の《死の影》デッキが《死の影》に加えて《タルモゴイフ》などのブロッカーを早期に用意しやすいためバーンに対して微有利をとれますが、Grixis Death’s Shadowは五分くらいになります。
苦手なカードは《流刑への道》《未練ある魂》《安らかなる眠り》などグリクシスカラーが苦手としていたカードはもちろんのこと、手札破壊と火力を潰す《神聖の力線》やデッキの大半を打ち消してしまう《虚空の杯》などです。
【Grixis Death’s Shadowが主流になった理由】
元々は、伊藤敦さんが考案した
当初はジャンド型が最も多く、次いでグリクシス型、その他にエスパー、アブザン、マルドゥなどの型が存在していました。
しかしながら、現在ではJund Death’s Shadowを抜き、Grixis Death’s Shadowが多く使用されるようになっています。なぜ、当初強いとされていた前者を抜いてGrixis Death’s Shadowが主流になったのでしょう。
筆者が思うに、だいたい《タルモゴイフ》のせいかなと思います。
①《ミシュラのガラクタ》および《タール火》の採用
《タルモゴイフ》のサイズアップ兼《ウルヴェンワルド横断》の昂揚達成要員として用いられている《ミシュラのガラクタ》と《タール火》。これらが今のJund Death’s Shadowのリストだと他のカードとシナジーを形成せず、単体で見てもさほど強くないことがひとつの要因だと思います。(個人的には《残忍な剥ぎ取り》を使って昂揚達成する意味を広げてあげたほうがいいのかなと思ったりもします。)
Grixis Death’s Shadowの場合、この枠はおそらく《思考掃き》と《稲妻》が対応するのでしょうが、《思考掃き》は墓地肥やしがメインで、《黄金牙、タシグル》《グルマグのアンコウ》の探査用や《瞬唱の魔道士》《コラガンの命令》の墓地利用の前準備として非常に有用です。《稲妻》は単純に《タール火》よりもダメージの点数が高く、《瞬唱の魔道士》のおかげでほんの少しだけ強く使うことができます。
②サイドボード(色増加の必要性)
Jund Death’s Shadowのサイド後は色を足して《イーオスのレインジャー》《未練ある魂》を入れることが多くあります。(白黒系の《死の影》デッキはこれをメインに無理なく組み込めるのが強みです)しかし、サイド後4色になることがウィークポイントで、白が出る唯一の土地である《神無き祭殿》を破壊されてしまうと、サイドボードのカードが唱えられず負けることも。最近では青を足して《頑固な否認》を加えるサイドボードも見られますが、それだと《タルモゴイフ》がサイズダウンした時に使いにくいという欠点もあります。
その点、Grixis Death’s Shadowはグリクシスカラー3色でも十分強いサイドボードが取れます。筆者は、必要でない限りは、無理に色を足さずに3色に留めるのがよいと考えています。
③《致命的な一押し》に対する耐性
Jund Death’s Shadowは基本クリーチャーのマナ域が1~2マナで収まっているため、《致命的な一押し》で簡単に除去されます。サイド後だと《致命的な一押し》で《死の影》や《タルモゴイフ》を除去された後に《外科的摘出》でぶっこ抜きされると涙が出ます。
Grixis Death’s Shadowが《致命的な一押し》に対する耐性を上げているのが《黄金牙、タシグル》や《グルマグのアンコウ》の存在です。手間がかかる分、黒いデッキ相手にはしっかり残ってくれます。Jund Death’s Shadowも探査クリーチャー、使ってみる?(絶対おすすめしません)
【Grixis Death’s Shadowのリストについて】
①《ティムールの激闘》の採用・非採用
ブラネルさんのレシピには存在していませんが、《ティムールの激闘》は入れておくといいかなと思っています。以前は、クリーチャーがいないといけないし、スタックで除去されたら2枚持っていかれる損するカードだと思って非採用推奨派だったのですが、《スピリット・トークン》やその他の小っちゃいクリーチャーに延々チャンプブロックされるのはつらいのと、高打点でプレッシャーをかけて相手の思考を縛るのは重要だと思いました。
②《稲妻》の採用・非採用について
ねこまは《死の影》デッキの《稲妻》に対しては、クリーチャーで削りきるのが主体のデッキだし、採用する理由がかなり薄いかなと考えています。《瞬唱の魔道士》からのフラッシュバックで6点、というのは高打点で魅力的ではありますが、ブロックしてくるクリーチャーを排除するほうを優先すると《致命的な一押し》の採用枚数が増え、相対的に《稲妻》が少なくなります。《稲妻》を抜く確固たる理由が存在すれば、全抜きも視野に入れていいと思っています。
Grixis Controlでは逆に《致命的な一押し》と《稲妻》の枚数が逆転するのは、《祖先の幻視》によるドローカードの多さや許容できる土地の設置枚数(Controlは4~5、Shadowは3)の違いで、《瞬唱の魔道士》から《終止》のフラッシュバックも見やすいのでクリーチャーを捌きやすいこと、クリーチャーが少ない分、火力と《瞬唱の魔道士》でどれだけライフを詰められるかに重点が置かれるからだと思います。
③サイドボードの設定
Grixis Death’s Shadowのサイドボードは、特に点数で見たマナ・コストが軽めのほうがいいです。ねこまはGP神戸でエルドラージトロンを見るカードとして《軽蔑的な一撃》を採用していますが、これは親和における絶対的アンチカード《石のような静寂》もあり、親和相手はさほど苦手ではないことから、苦手なタイタンシフトや4マナ以降のパワーカードを見ることができるという理由での採用となっています。Grixis Death’s Shadowも親和相手はめちゃくちゃ苦手というわけではありません。しかしながら、あまり土地が伸びないデッキであることとその他どんなデッキに対しても強く立ち回ることができることを考慮すると、Tier 1である親和やエルドラージトロンにさくっと対処できて《瞬唱の魔道士》からフラッシュバックもしやすい《儀礼的拒否》を採用します。Grixis Death’s Shadowの3マナ以降のインスタント・ソーサリー呪文は基本フラッシュバックできないということを頭の片隅に入れ、3マナの呪文を採用する場合はそれなりのパワーカードである必要があるということを考慮しながらサイドボードを組むといいと思います。
【まとめ】
《安らかなる眠り》が痛いのはどちらも同じなので、個人的には《死の影》デッキで緑を使うよりはGrixis Death’s Shadowのほうがおすすめです。安いですし。
緑系の《死の影》もまだまだ十分に強化される余地はあると思っているので、復権に期待してねこまは寝てますね。果報は何とやらです。では、おやすみなさい。
ご意見やご質問等ございましたら、コメントお願いします。
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